歯周病
むし歯について
原因(なぜ、むし歯になるのか?)
口内に潜むむし歯の「原因菌」が酸をつくり出し、歯のエナメル質を溶かしてしまうことが始まりです。それが進行すると、象牙質や歯髄(歯の中心部分)まで溶け、歯に穴が空いたり、痛んだりといった自覚症状が起こります。重症化すれば、歯の根っこまで進み、激しく痛むようになります。治療で歯の神経を取らなくてはならない状況も多々あります。
むし歯は、放置していたら自然に治るものではないため、できるだけ早期に治療をすることがポイントです。
当院のむし歯の治療
当院のむし歯の治療では、お子さまから大人の方まで「なるべく削らない」「痛みの少ない治療を行う」を大切にしています。お子さまへは「フッ素塗布」、大人には歯の清掃を行う「定期メンテナンス」を基本としています。
「痛みの少ない治療」について
当院ではほとんど痛みのない治療を行っております。削ることになった場合は、痛みを軽減するためまず歯に表面麻酔をし、その部分に電動麻酔を用いて麻酔液を注入していきます。麻酔針の太さを極細のものにし、電動で一定のスピードを保ちながら、注入時の痛みも極力抑えます。
私生活で気をつけること
「汚れ」をできるだけ溜めないことがポイントです。毎日の歯磨きを励行し、歯間ブラシやフロスも使いましょう。歯と歯の間までしっかり清掃することが、むし歯防止に効果的です。
歯周病について
歯周病とは?
口内の歯周病菌によって歯を支えている骨が溶かされていくという疾患で、歯を失ってしまう大きな原因とされています。
初期の自覚症状はほとんどありませんが、進行すると歯茎に炎症が起こり、腫れや出血が起こるようになります。さらに重症化すると膿が出て、歯を支えている組織が破壊され、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
知らないうちに重症化しているケースが少なくないため、早期発見・早期治療がとても重要です。
歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)の状態が歯周病の進行度を知る指標となります。
当院では、歯周ポケットが4mm以上の方は、まず歯科衛生士が歯茎の中までクリーニングします。
歯周病の進行度
歯周病の進行度は、次の4段階で表すことができます。
- 1
- 健康な歯肉
危険度 0
歯周病にならないよう、定期メンテナンスと正しい歯磨きを続けていきましょう。
- 2
- 軽度歯周炎
危険度 ★★
歯茎が少し赤みを帯び、腫れた状態になります。
- 3
- 中度歯周炎
危険度 ★★★
口臭が起こり、歯茎が化膿します。ブラッシング時に膿が出ることもあります。
- 4
- 重度歯周炎
危険度 ★★★★★
歯がグラグラするようになり、歯と接している歯茎がさらに腫れ、化膿が進みます。
抜歯のリスクも高まります。
歯周病と関わりのある疾患
次の疾患が、歯周病と関わりがあることがわかっています。
これらの疾患を予防するためにも、歯周病の予防・治療をするようにしましょう。
- 狭心症・心筋梗塞
- 動脈硬化が原因とされていますが、歯周病原因菌の刺激で、動脈硬化を誘導する物質が出て、血管内にプラークができます。これによって血管が狭まり、動脈硬化が誘発します。プラークが剥がれて血の塊ができると、細い血管が詰まるようになるのです。
- 脳梗塞
- 歯周病の人は、そうでない人の2.8倍も脳梗塞になりやすいことがわかっています。特に、血圧・コレステロール・中性脂肪の数値が高い方は要注意です。
- 糖尿病
- 歯周病は、「糖尿病の合併症のひとつ」として知られています。
さらに、「歯周病になると、糖尿病の症状が悪化する」ということも明らかになってきました。
「歯周病と糖尿病は相互で影響を与えあっている」と考えられるようになったのです。
歯周病治療で糖尿病が改善することもわかっています。
- 誤嚥性肺炎
- 誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌だとされています。
- 骨粗しょう症
- 日本には、骨粗しょう症にかかっている人が約1,000万人以上いるといわれています。そのうち90%が女性という統計があり、原因として閉経後のエストロゲンの減少が挙げられますが、これは歯周病が進行しやすい原因としても重要視されています。
- 関節炎・腎炎
- 発症原因のひとつとして、ウイルスや細菌の感染がありますが、その原因に口腔内に多く存在している歯周病原性細菌も挙げられます。
- 低出生体重児・早産
- 歯周病によって産生される体内物質が、血流を通じて胎盤に流入し、早産を引き起こす原因になるといわれています。